佐賀工が中部大春日丘(愛知)とのBシード対決をノートライで制し、2大会連続で「花園8強入り」を決めた。FB井上達木(2年)が、全9得点を挙げる3度のペナルティーゴール(PG)を沈めた。

井上の正確無比な左足が、チームに勝利を呼び込んだ。0-3で迎えた前半11分、ハーフウエーライン中央付近からPGを成功させ、同点に追いつく。同23分は敵陣22メートル中央付近から決め込んだ。最後は2点リードされた同31分。左中間45メートルから逆転ゴールを演じ、決勝点となった。

積み重ねた努力を、聖地・花園の舞台で発揮した。「ゴールキックの練習は、日本一やっていると思う」と堂々と言い切る。チームの全体練習を終えてから、気が済むまで蹴り続けるという。長い時では1時間。自らと見つめ合いながら、キックの精度の高さを追い求めてきた。

「チームから(キックを)任されているので、責任を持って蹴っている」と、強い自覚を口にした。

同校の偉大なOBに強い憧れを持っている。ラグビー元日本代表選手の五郎丸歩だ。井上は「2015年のラグビー・ワールドカップを見て、五郎丸さんに憧れて(佐賀工に)入学を決めた。自分も偉大な選手を目指していきたい」と背中を追う。

実際に、高校1年時には直接指導を受けたこともある。「自分のキックでチームに勢いを与えられるように」と金言を授かり、今でもその言葉を胸に刻んでいる。

22大会ぶりの準決勝進出を目指し、次戦は3日、東福岡との「九州勢対決」に臨む。

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