24年パリ五輪の新種目に採用されたブレイキン(ブレイクダンス)の全日本選手権(2月18~19日、東京・代々木第2体育館)概要発表会が27日、都内で行われ、大会3連覇を狙う男子のSHIGEKIX(シゲキックス)こと半井(なからい)重幸(20)ら強化選手7人が出席した。

昨年の世界選手権(韓国)で準優勝の半井は「年度の締めくくり、かつ新たなスタートとなる大会。365日の練習でレベルアップした姿を見せたい」と意気込んだ。

23年度の強化選手選考会を兼ねている大会で、原則上位4人が最上位の強化選手Aに指定。国際大会に派遣される。2月下旬に北九州市で日本初開催される「ゴールド・ワールドシリーズ」など複数の国際大会で獲得したポイントを踏まえて世界選手権(9月22~24日、ベルギー)代表が決まり、そこで優勝すればパリ五輪代表に世界最速で内定する。女子で昨年の世界選手権金メダルのAMIこと湯浅亜実(24)は「パリに向けて認知度の高まりを感じる。全日本では楽しく自分らしく気持ち良く踊りたい」と燃えた。

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◆ブレイキン採点方式 かつては格好良さなどの主観で勝敗が決していたが、文化からスポーツへ移行すべく18年ごろから国際連盟がルール整備。パリ五輪の基準は「技術力、創造性、スタイル、スピード、力強さ、リズム、敏捷(びんしょう)性等」としか発表されていないが、先駆けて採用された18年ユース五輪では「身体」「解釈」「芸術」の3つを柱に6項目で採点された。審判数は大会で異なり、ユース五輪は5人、昨年の世界選手権は9人に評価された。クラッシュ(技の失敗など)やリピート(技の繰り返し)、バイト(他人のまね)などの動きは減点される。

世界的な第一人者で、日本ダンススポーツ連盟(JDSF)のKATSU1(カツワン)こと石川勝之ブレイクダンス本部長(41)は「昨季までは日本独自の絶対評価だったが、パリ五輪で採用される相対評価に来月の全日本選手権から合わせる。ただ、ボディー(技術)ソウル(音楽性)マインド(個性)で判断される原則は同じ」と説明した。