女子シングルス決勝で第5シード、ベラルーシ出身のアリーナ・サバレンカ(24)が、昨年のウィンブルドン選手権覇者エレーナ・ルバキナ(カザフスタン)に4-6、6-3、6-4で逆転勝ちし、4大大会初制覇を果たした。

第1セットはルバキナの鋭く正確なサーブに苦しんだ上にミスも重なった。今大会初めてセットを落とした。だが第2セットで持ち前の強打と軽快なフットワークで巻き返すと、第3セットも勢いに乗ってルバキナとの2時間28分に及ぶ激闘を制した。エースは17本、ウイナー(決定打)もルバキナを20本も上回る51本を数えた。

4大大会初優勝に「人生最高の日なので、言葉では言い表せない」と喜びをかみしめた。敗れたルバキナは「肉体的にも精神的にも強かった」と脱帽した。

昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、肩身の狭い思いをしながら戦った。ロシアとともにベラルーシの選手は国名や国旗を使用しない条件で、個人参加となった。さらにウィンブルドン選手権では除外される憂き目に遭った。その後の全米オープン以降、「政治とスポーツは関係ない」とし、自らのプレーに集中した。

今年に入って2つのタイトルを手にし、11勝無敗と勢いは止まらない。今回の優勝賞金約2億7000万円も手にし、週明けの30日に発表される世界ランキングでは2位に浮上する。