元バレーボール日本代表でタレントの益子直美氏(56=サイン)がこのほど、磐田市内でスポーツ指導者向け講演会を開催した。テーマは「監督が怒ってはいけない大会を開催した理由」。小中学校の教員やスポーツ少年団の指導者など約100人を前に、自らの経験を踏まえ、楽しくスポーツできる環境の大切さを伝えた。

「ミスして怒られないようにとビクビクしながら試合していた」と自身の競技生活を振り返りながら、高圧的な指導を受けて失うものを「(1)主体性(2)自信(3)チャレンジ精神(4)笑顔(5)学ぶキッカケ」の5点を挙げた。そんな副作用を、子供たちに味わって欲しくない一心で同大会が企画された。

今年で9年目を迎える大会はこれまで、全国6都市22回の開催を数える。「怒り」を使わず「勝利」と「育成」の両方を手に入れる指導がテーマ。指導者が選手に対し、素質や才能を「認め」、努力やプロセスを「褒める」。そして成功を一緒に「喜ぶ」ことが重要と強調。さらに「アンガーマネジメント」や「スポーツメンタルコーチ」等の資格を持つ同氏は、前向きな言葉のアプローチについてもアドバイスを行った。

最後に益子氏は「今回の機会を通じ、自身の指導について考えるきっかけになれば、うれしいです」と願いを込めた。【山口昌久】