フィギュアスケート男子の14年ソチ、18年平昌オリンピック(五輪)2連覇王者で、昨夏プロ転向した羽生結弦さん(28)が座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata」が10日、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで開幕し、体操男子個人総合の12年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪で2連覇したスペシャルゲスト内村航平さん(34)と競演した。

公演後、取材に応じた羽生さんの主なコメントは次の通り。

--内村さんとのコラボレーション。練習の間はどのように

羽生さん えっと、まあ振り付けは、冒頭の部分がデヴィッド・ウィルソンさんに振り付けをしていただいて、内村さんが登場してからの部分は全部、自分で振り付けをしました。また、内村さんとの打ち合わせだったり、相談だったり、振り付けの構成だったり、そういった相談はほとんどなく(笑い)。お互いが、自分たちにできることをぶつけ合おう、というような感覚で進めてきました。

で、実際にこうやって、この場所で会って、初めて一緒にリハーサルする時も、お互い謙遜し合いながら、または距離感を図りながら、みたいなところもあったんですけど、何か、今日ちょっと演技を見ていただいて思ってくださったかもしれないんですけど、お互いがお互いのことに集中して、何かぶつかり合って、でも共演もしてて、お互いの本気のエネルギーが混ざり合うみたいなところを、ちょっとこのプログラムでは出したいなという意識があって、お互い集中しましょう、自分たちのことに集中して、それがきっといい掛け算になります、って言い合いながら作っていきました。

--あらためて、内村さんの演技や練習を間近で見たと思うが、感じたことは

羽生さん 何か、同じオーラは持ってる人だなっていうのは、すごく思いました。正直、僕もやっぱ僕のことに集中してやらないと自分の演技が流されてしまう、っていうぐらいのオーラがありますし、僕自身その、最近、単独のショーもやらせていただいてるからこそ、より自分のスケートにクオリティーを求めなくてはいけないっていう気持ちもあって、そこまで、いろんなスケーターだったり、共演者だったり、の演技とか練習を見れてるわけではないんですよ。でも、コラボの練習とかする時に、または実際今日、コラボしている時に、やっぱり自分も見たいなって思ってしまうぐらいのオーラは感じていました。

そういう意味で「プロなのかな」って思ったんですよね。競技とか技とか技術とか、そういう枠を越えて人を引きつけるもの、カリスマ性的なものが、別に内村航平という人間に成績がなかったとしても、きっとそういうものを感じるんだろうなっていうことを今回、コラボしながら感じていました。

まあ、単純な言葉にすると「格好いいな」って思いました。僕が思ってるかどうかは別として、内村航平という人物の体操は、体操だけにとどまるものではないんだな、っていうことは感じました。

【阿部健吾】