ショートプログラム(SP)首位の宇野昌磨(25=トヨタ自動車)が、日本男子初の2連覇を達成した。

フリー196・51点を記録し、合計301・14点。21日の公式練習中に右足首を負傷するアクシデントに見舞われていたが、難しい状況の中で王者の地力を示した。

自国開催の大舞台。最終滑走で大歓声を受けながら力を出し尽くした。SP前日の練習中に4回転サルコー着氷時に右足首を負傷。これまでも痛めてきた箇所で、ひねった直後は「やばい」と感じた。多くの関係者のサポートを受け「運の良さや予防をしていたのもあって、想像よりはるかに少ない支障でした」。SP104・63点で首位に立った。

この日午前11時15分からの公式練習。フリー「G線上のアリア」をかけての通しで、4回転ジャンプの着氷は挑んだ4本中1本だった。好調とはいえない中でも経験の引き出しをたどり、フリーへの準備を怠らなかった。

さいたまスーパーアリーナ入り後の取材対応。今大会に懸ける思いを問われ、こう誓った。

「皆さんが期待してくれている結果を出すことが、僕の一番の目標になってくると思います」

SP後にも、あらためて周囲に感謝を口にした。

「長年付き添ってくれる方々のサポートあって、僕はこういう演技ができていると思います。家族とか身近な方々にすごぐ心配をさせてしまった。僕には『大丈夫?』という声を皆さんかけてくれますけど、もしかしたら僕以上に心配している人たちがいたかもしれない。申し訳なかったですけど、こういうSPができて、少しでも皆さんに恩返しできたらなと思います」

SPに加えてフリー。全ての力を結集させ、恩返しの2連覇をたぐり寄せた。

「完璧とは言い難い演技ではありましたが、今これ以上できない演技。どのジャンプも危なかったけれど、しっかり成績を残せたこともうれしいですし、この2週間くらい調子が良くなくて心配をお掛けした中、結果でお返しできたことをうれしく思います」

「たくさんの方が支えてくださって、何1つ欠けても、この演技にたどり着かない。関わってくれた全ての方に感謝したいなと思います」

「正直、国内でやる国際大会は成績が振るわないことがすごく多かったんですけど、初めてこういういい成績を残せたことをうれしく思いますし、僕は本当に世界選手権に向けて、いろいろなことを考えながら、今後の道もすごくたくさんのことを考えています。今後どういう形でスケートをやっていくか分からないですけれど、これからも頑張りたいと思います」

【松本航】