今季Vリーグ2部(V2)優勝のヴォレアス北海道が入れ替え戦3度目の挑戦で、1部(V1)初昇格を決めた。第1戦を先勝して迎えた第2戦は3-1でV1最下位の大分三好ヴァイセアドラーを下し、連勝で悲願を達成した。

大分三好の外国人エースアタッカーのジャンプに合わせて、樫村大仁(24)と戸田拓也(26)が同時にブロックに飛んだ。セットカウント2-1で迎えた第4セット24-17のマッチポイント。昇格への思いのこもった2枚ブロックに阻まれたボールが、相手コートに落ちると、あっという間にベンチが空っぽになった。

「この試合に向けて大分さんの試合(の映像)を20試合ぐらい集めて準備してきました。そうした取り組みが、ようやく結果につながった」。チーム創設から指揮するエド・クライン監督(41)が、記者会見で表情を緩めた。チーム創設時は本拠地・旭川周辺市町村の体育館を、日替わりで練習場として使用した。現在は比布町の旧比布中学校校舎を使用するが、旭川の市街からは、車で約1時間。日本初のプロチームとして誕生したが、決して環境が整っているわけではない。

20-21年シーズンはV2で2位で、初めて入れ替え戦出場の権利を得たが、コロナ禍で中止。入れ替え戦実施の請願活動も行ったが「ヴォレアスは2部で2位。優勝もせずに何を言っている」という外野の声も聞こえた。その後も昨季まで2年連続で入れ替え戦敗退。ホームの試合ごとにイベントを企画するなど、あの手この手で集客し、V2でチームを存続してきた。降旗雄平GMは「(24年新リーグ開幕前の)最後のV1リーグに自力で昇格できたのは、クラブのストーリーとして最高」としみじみと語った。

エースの張育陞(チャン・ユーシェン、23)は、急激に曲がり落ちるドライブサーブ、高い打点のスパイクを武器に、2日間で62点をたたき出した。19年の加入から4シーズンを経て、日本語の記者会見にも十分に慣れた。「ついに、お待たせしたV1です。本当にうれしい。難しいとは思いますけど、昇格しても得点王とか、頑張ります」。最北で、最後のV1チームが半年後、いよいよ最高のステージに一歩を踏み出す。【中島洋尚】

◆ヴォレアス北海道 日本初のプロチームとして16年10月に設立。ホームタウンは北海道旭川市。17年6月、Vリーグに準加盟チームとして正式加入。17-18シーズンからVチャレンジリーグ2(当時3部相当)に参入し初年度優勝。18-19シーズンから移行したVリーグの3部を連覇した。19-10シーズンは同2部で2位。20-21シーズンも2位。21-22シーズンはV2初優勝。チーム名の「ヴォレアス」は、ギリシャ神話の北風の神「ボレアース」の頭文字BをバレーボールのVに置き換えた。初年度からエド・クライン監督が指揮を執る。