昨季世界選手権10位の渡辺倫果(21=TOKIOインカラミ/法政大)はジャンプにわずかなミスが出るなど60・14点にも、納得顔だった。

後半の3回転ループからのトーループが2回転に。さらに手直ししたばかりの最後のステップシークエンスで構成を間違い、演技後には苦笑して頭を抱えたが、「短いスパンである程度調子を上げてこられているのは良かった」。昨季の活躍からアイスショーの出演などが続き、競技人生で最長のオフ期を過ごしてきた。今月に「ワンピース・オン・アイス」の公演を完走して、競技会モードに突入。そこからの調整で、今大会に臨んでいた。

直前の6分間練習ではトリプルアクセル(3回転半)も跳んだ。「様子をみて本番でやるか決めようと。今日は回避しましたが、明日おそらく1本やろうかな」とフリーでの挑戦に意欲をのぞかせるほど、滑りは整えてこられた。

昨季はGPシリーズ初出場初優勝など、一気に日本女子の主役に1人に駆け上がった。周囲の見方などの変化も感じながら、今季のテーマは「初心忘れず」と決めた。「いろいろ悩んだ末に、そこに至りました。昨季、いろんなことあって、国際大会全て出場させていただいたので、それが奇跡ではなく、当たり前にしていければいいかな。いろいろな見方も考えずに、自分がどうしたいのかを第一に」と意志をみせた。