22年北京オリンピック(五輪)銀メダルの鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)が、国内の公式戦初戦となる東京ブロック大会で完全優勝した。
前日のショートプログラム(SP)は89・80点で首位。フリーも194・95点の合計284・75点でトップを守り、シーズン序盤ながら早くも190点台、280台という高得点で評価され、笑顔で頭を抱えて喜びを表現した。
フリーの最終滑走。「久々だったので緊張しました」と言いながら、前日は転倒していた4回転サルコーをまず美しく決めた。
「フリーを終えた選手、お客さんの声援を浴びて緊張がほぐれました。さらにサルコーも降りられて、いい流れになりました」
さらに4回転トーループからの3連続、トリプル-ダブルの2連続アクセル(3回転半-2回転半)など順当に降りていく。
後半は「ステップが(2週前に優勝した)ロンバルディア杯の方が良かった。もっともっと体力をつけて後半に余裕を持つことが大事」と反省しながらも「レイン・イン・ユア・ブラック・アイズ」を舞い切り、頭の上で両手を組んで笑みをこぼした。
得点を待つキス・アンド・クライでは「ロンバルディア杯より疲れた。後半、危なかった」と苦笑いしつつ、父の正和コーチと歓喜のタッチ。全日本選手権(12月、長野)へつながる予選の初戦を、トップで通過した。
「昨日のSPで失敗したサルコー、ロンバルディアでミスしたトーループを跳べたので、そこは良かったと思います。190点台をこの構成で出せたことは、ジャンプ以外での成長かなと感じられました、結構、下の点(演技構成点)は出ていたので」
「このフリープログラムは、ずっと流れるような振り付け、途切れることがないプログラムになっているので、そのあたりをしっかり意識したのと、ジャンプも振り付けかのように、プログラムの一部として表現できるように、細かくやりました」
今後はグランプリ(GP)シリーズへ向かう。「昨年はけがで出られなかったので」と切望する舞台で「もっともっと体力をつけないといけないし、今日はステップもレベルを落としていた部分があったので、もっともっとブラッシュアップしていきたい」。現状についても「(10割のうち)6・5割ぐらいかな。先ほども言った通り、後半に関しては、ロンバルディアの方がうまく表現できていたかなと感じているので。今回は後半に体力が切れそうになってしまったのが課題かな」と挙げ、次戦へスタミナ面を向上させていく。
表彰台も盟友と独占。佐藤駿(19=エームサービス/明治大)はフリー167・66点の合計251・28点で2位、前日のSP前に左腰を肉離れした三浦佳生(18=オリエンタルバイオ/目黒日大高)は145・41点の227・33点で3位だった。【木下淳】