19年ジュニアグランプリファイナル王者、23年4大陸選手権3位の佐藤駿(19=エームサービス/明治大)が、フリー167・66点の合計251・28点で2位となった。大技の4回転ルッツを解禁。転倒こそしたものの、今後のグランプリ(GP)シリーズ戦線へ1歩を踏み出した。
前日のショートプログラム(SP)は2位。迎えたフリーは冒頭、4回転ルッツに挑んだ。惜しくも転んだが、以後のジャンプは全て降りた。
「ルッツを入れることができたのと、しっかりまとめられたことは良かったかなと。ルッツは、練習で全くやってなかったんですけど、一発本番で。試合で跳ぶ感覚を取り戻すことができたと思うので、次から跳べるようにしていきたい」
4回転トーループは2本とも着氷。トリプルアクセル(3回転半)からの3連続も決めた。
既に披露してきたが、今季のフリー曲はビバルディ「四季」。アイスダンスの22年北京オリンピック(五輪)金メダル、世界一カップル「パパシゼ」のギヨーム・シゼロン振り付けで、オフにはカナダに渡って直接指導を受けた。
「カナダで先生が教えてくださったことをずっとやっていて、あらためてフィギュアスケートの楽しさに気付けて、今は本当にフィギュアスに対して楽しいという感情が沸いています」
シゼロンからは「本当に基礎中の基礎から」教わり「何時間もやって、すごい滑れるようになったので、あらためて楽しいなという風に思いました」という。
心に残るアドバイスとしては「僕の場合、スケートの伸びが浅いと言われていたので、もっとアップダウンというか、を大事にした方がいい、と言われたのが印象に残っています」と充実レッスンの一端を紹介した。
グランプリ(GP)シリーズは、第1戦スケートアメリカから出場する。「アメリカ大会に向けて、いい試合になったのかなとは思います」と手応えを口にしつつ「SP、もっと。フリーも、もっともっと体力があれば。今日も最後、全力で滑り切ることができたと思うので、アメリカまでにしっかり調整できれば」と改善点をつぶしていく。
表彰台も盟友と独占。鍵山優真(20=オリエンタルバイオ/中京大)がフリー194・95点、合計284・75点で完全優勝。前日のSP前に左腰を肉離れしていた三浦佳生(18=オリエンタルバイオ/目黒日大高)は145・41点の227・33点で3位で、佐藤は「まあ3人で頑張ろうという話はしました」と笑顔を見せていた。【木下淳】