バスケットボール女子の名門シャンソン化粧品シャンソンVマジックで7選手らが大量退団した事案についてWリーグは25日、調査結果を発表し、「対象チームにけん責処分」を科すと発表した。理由について調査チームは「適切なチームマネジメントがなされていなかった」とした。
シャンソンは昨年12月4日の皇后杯で敗退した直後、チームミーティング中に激しい口論が発生した。この際にある選手が取った言動について問題視した球団スタッフが「解雇を含む何らかのペナルティーがある可能性」を伝えたことが引き金となり、チームは空中分裂。選手や監督の大量退団につながった。
調査チームはミーティング中にある選手が発した言動について「懲戒解雇の対象となるような行き過ぎたものと評価することはできない」と報告。その言動を理由として球団スタッフが選手に解雇の可能性について言及したことについては「適切ではないと判断される」とした。
もっとも「今回の調査は、リーグとしての懲戒事由に該当するか確認するために行ったもの。必ずしもパワーハラスメントの有無を調査したわけではない」とも説明。「パワハラ認定をしなくても、本件の処分ができると考えた」とした。処分内容としてけん責は、7段階で最も軽いものにあたる。
調査チームは5月までに1次調査と2次調査を実施。12月時点でチームに所属していたシャンソンの選手や関係者計24人からヒアリングを行った。6月に最終面談が予定されていたが、シャンソン側から追加意見書を提出すると申し出があり、8月に延期。結果としてこのタイミングでの発表にずれこんだ。
リーグ優勝16度の名門シャンソン化粧品は2月、7選手と李玉慈監督が退団していたことを発表。その理由については「方向性の違い」と記し、選手同士の対立を要因に挙げていた。
しかしその後に日刊スポーツの取材で、退団選手の一部は球団幹部によるパワーハラスメント被害を受けたと主張していたことが判明。本紙報道を受けてシャンソン側は「事実とその背景において異なる」と反論していた。
今月上旬にWリーグから発表されたシャンソンの大会エントリーリストからは、チーム代表の肩書きがついていた幹部の氏名が外れた。