9月のアジア大会(杭州)を制した2人が格の違いを見せた。

男子は東京五輪にも出場したニナー賢治(30=NTT東日本・NTT西日本)が1時間48分29秒で3年ぶり2度目の優勝。強化してきたというランで突き放した。女子は高橋侑子(32=相互物産)がスイムから独走態勢に入り、2時間1分11秒で19年以来3度目の優勝を決めた。

日本男子の大黒柱、ニナーが、大雨のレースで貫禄勝ちした。スイムを終えて先頭集団は3人に。バイクでは風を受ける先頭を交代で務め、後続にリードを広げた。最終種目のランで一気にスパート。2・5キロを4周のコースで、1周を終えて2位との差を40秒に広げた。「とてもいいレースができた。特にランがよかった」と笑みを浮かべて振り返った。

強化ポイントとして取り組んできたのが10キロのラン。広いストライドと力強さが長所である一方で「5~7キロ地点でペースダウンしてしまうことが課題だった」。今夏には東京五輪の銀メダリストであるアレックス・イー(英国)と合同練習。ランを得意とする同選手から、フォームを安定させるトレーニング方法を学んだ。「今日は最後まで落ちなかった。まだ勉強のところはあるが、フォームはキープできた」と手応えを口にした。

パリ五輪は来年5月27日の時点で、出場資格ランキング26位以内かつ日本人で最上位となれば出場権の最優先の対象となる。現在同ランキング16位。世界基準で戦う日本のエースが、2度目の五輪挑戦へ視界良好だ。【岡崎悠利】

◆ニナー賢治(になー・けんじ)1993年(平5)5月26日、オーストラリア・パース生まれ。同国の父と日本人の母。13歳でトライアスロンを始め、18歳で本格的に取り組む。21年に日本国籍を取得。22年東京五輪は個人14位、ミックスリレー13位。175センチ、67キロ。