関東学連1部で春季&秋季リーグ戦を制覇した第1シードの筑波大が、4年ぶり9度目の優勝を果たした。3連覇を狙う東海大と対戦し、3-0のストレート勝ち。今大会「失セット0」で“完全優勝”を達成した。

優勝の立役者になったのは、日本代表アウトサイドヒッター(OH)の佐藤淑乃(4年=敬愛学園)だった。25-19で第1セット(S)先取して迎えた第2S。一時4点差をつけられる苦しい展開だった。それでも、14-17の場面で、佐藤が「少しでも弱気になったらダメ」と強烈なバックアタックを連発し、流れを引き寄せた。チームの4連続得点に結びつけ、一気に逆転に成功。その後も要所で得点を重ね、セットポイントからの一打も決めてみせた。

第3Sも一時はリードを許したものの、4-4で佐藤のスパイクを起点に4連続得点。リードを広げ、そのまま追いつかれることなく25-17で逃げ切った。

勝利の瞬間は、安堵(あんど)のあまりその場に崩れ落ちた。「すごくうれしかったんですけど、安心感の方が強かった。初戦からチームのみんなに『顔が怖い』とか言われるくらい、気持ちを緩めちゃいけないっていう意識でやっていたので」と、怒濤(どとう)の6日間を振り返った。

佐藤にとって「決勝で当たれたらうれしい」と、熱望した一戦だった。東海大のOH宮部愛芽世主将(4年)は、昨年ともに日本代表に選出され、世界選手権に出場。今夏に中国で行われたユニバーシティゲームズでは、主力として銀メダル獲得に貢献した。代表では同部屋になることもあり、「お互いにしんどい時でも支え合ってきた」という仲。秋季リーグではベストスコアラーを獲得した技術面だけでなく「キャプテンとして引っ張る力がすごい」と、さまざまな面で刺激を受けてきた。同じポジションの「特別に思う」という存在が、自身を高めてくれた。「違うチームなのに仲間という感じだった。ここまで来られたのも愛芽世がいたから」と戦友へ感謝した。

ピンチの場面では、冷静な姿勢で周囲を落ち着かせる大山主将とともに、佐藤は熱い声がけでチームをけん引してきた。「崩れ始めてる時に自分も同じようになってたらダメ。視野を広げて、具体的な声がけを常に意識してきた」。ユニバ-でトスを受けたVリーグ・NECのセッター中川つかさに学んだ姿勢を、自チームに還元。状況に応じて『こういうコンビをやってみたら』『次はこの攻撃入って』と的確に助言し、コート上で絶え間なく声を響かせた。

「中学でも高校でも1度も日本一になったことがない。ラストチャンスで絶対に取りたい」と決意を示していた主砲。学生最後の冬に、自らの手で栄冠をつかみ取った。【勝部晃多】