旭川実(北海道)はストレートで下北沢成徳(東京)に敗れ、92年以来31大会ぶりの決勝進出はならなかった。

U19日本代表で、エースの笠井季璃(りり、3年)は、0-2と追い込まれた第3セット終盤に、強烈なスパイクやバックアタックを連発。得点のたびに、ほぼ満員のスタンドを沸かせたが、24-26で競り負け、セットを奪うことはできなかった。

第3セット最終盤の24-25の場面。1度目のアタックが決まり切らず、ボールが自コートに戻ってきた。セッター井関芹花(3年)が上げた2度目のトスを強打したが、惜しくもネットにかかり、試合が終わった。火の玉のような渾身(こんしん)のバックアタックで、会場全体を味方につけ、両チーム最多20得点をマーク。活躍及ばずコートに倒れこむエースの姿に、涙ぐむ観客もいた。

「自分に託してくれてありがとう」。あふれる涙を抑えながら、笠井は井関らチームメートに、感謝の言葉をかけて、コートを去った。卒業後はVリーグ女子1部のトヨタ車体に入部する。試合後は早くも「目標は男子の石川祐希(28=ミラノ)さんのように、苦しい時に頼れる選手。日本(代表の)メダルに貢献できる選手になりたい」と、次のステップを見据えた。【中島洋尚】

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準決勝2試合/大会4日目写真特集2