女子の張本美和(15=木下アカデミー)が、初の4強入りを決めた。木原美悠(木下グループ)を4-0で圧倒。パリ五輪シングルス代表選考ポイントも4番手に浮上した。兄の智和(智和企画)も準決勝進出。28日は史上初のシングルス兄妹同時優勝が懸かり、女子最年少で頂点に立てば、五輪代表3枠目の団体戦メンバーへ絶好のアピールとなる。前回女王の早田ひな(日本生命)、男子3連覇を狙う戸上隼輔(明大)らも準々決勝を突破した。
◇ ◇ ◇
最後はバックハンドで厳しいコースを突き、張本が左拳を振った。拠点が同じ「同士打ち」のため、互いにコーチ不在の準々決勝。木原を相手に複数用意した戦略を冷静に操り「最後までずっと、流れを持ったまま試合ができた」と手応えがにじんだ。この勝利で選考レース4番手につけていた先輩を追い抜いたが「うれしいけれど、まだ終わらない」と、最終日の大一番へ気合を入れ直した。
記録も視野に入る。17年に最年少16歳で女子を制した平野美宇を上回る15歳での日本一まで残り2勝。重圧もかかりそうだが、頼もしい“お手本”がいる。この日、同じく4強入りした兄智和は、18年に14歳で男子の頂点に立っており「本当にすごい。私はお兄ちゃんと比べたら、もっともっと頑張らないといけない立場。負けない気持ちを持ちながら、一緒に優勝できたらうれしい」と笑った。
五輪シングルス代表2枠を争うレースは、前日26日に決着した。残る団体戦メンバー1枠はシングルスの2人とダブルスが組め、活躍が期待される選手が選ばれる。昨秋の第6回選考会決勝で早田を下して優勝するなど勢いに乗る張本は、この有力候補に挙がるが今、見据えるのは1点。「オリンピックは関係なく、優勝を目指したい」。平常心で、歴史的偉業をつかむ。【松本航】
○…パリ五輪シングルス代表入りが決定的な早田ひなが、同学年の存在を力に変える。長崎をストレートで下して2年連続3度目の日本一まであと2勝。「戦術や駆け引きがうまくハマった」とうなずいた。26日に同じ23歳の伊藤が同シングルス代表入りを逃し「伊藤選手の分まで、(パリで)金を取りにいかないといけない」と宣言。大目標へ「まずはこの大会で進化できるように」と気を引き締めた。
◆男子シングルス 張本智和が“兄妹優勝”を誓った。男子ダブルスは準優勝で連覇を逃したが、シングルス準々決勝では4年前の決勝で敗れた宇田に4-2で勝利。6年ぶりの日本一まであと2勝とした。妹美和も4強入りし「(本人よりも)自分の方が喜んでいる」と笑顔。「お互い優勝できるレベルまできている」と5歳年下の妹の実力を認めた上で「優勝しか狙っていない。2位以下は初戦敗退と同じ」と言い切った。


