女子日本代表がパリ五輪出場権を争うアジア最大のライバル中国(世界ランキング6位)との直接対決を3-1で制した。途中出場の井上愛里沙(29)が、チーム2位の18得点。石川真佑の台頭でこれまで出場機会が限られていたベテランスパイカーが、完全アウェーの中で流れを引き寄せた。VNL通算成績を5勝2敗とし、試合終了時点で同8位から7位に浮上。残り5枚となったパリ切符獲得へ、大きく前進した。

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井上が、白い歯を見せてその場で跳びはねた。途中出場ながらチーム2位の18得点をマーク。アジアの宿敵中国から22年AVCカップ以来約2年ぶりとなる勝利を引き寄せ、「今日の一戦はすごく大事な試合になると思った。自分たちの流れにもっていけた」と声を弾ませた。

頼れるベテランの一打が、パリ切符へ大きく弾みをつけた。1-1とタイに戻されて迎えた第3Sは頭から登場。平均身長190センチ超えの中国を相手にも「自分は点を取る役割」と得意のバックアタックで果敢に攻め立て、セット奪取に成功した。第4Sも9-8と1点差に詰め寄られた場面では、相手の空いたスペースへ押し込み、そこから一気の7連続得点。積極的なプレーで流れをつくり、セット連取で勝利に導いた。

22-23年シーズンはフランスリーグで研さんを重ねた29歳だが、順風満帆ではなかった。昨秋の五輪予選W杯バレーでは主軸としてチーム2位の97得点の活躍も、今季は同じポジションの石川の影に隠れ、ここまで7戦でスタメン出場は0。「チームになかなか貢献できてなくてずっともどかしかった」。それでもベンチや練習中も「常に試合に出てる気持ち」で準備は欠かさず、「そういったことが今日の試合では生かすことができたのかな」と胸を張った。

試合終了時点での世界ランキングは7位に浮上し中国に接近。今後も五輪へ向けてポイントを重ねていきたいところだ。「少しでもチームに勢いをもたらせたら」と井上。酸いも甘いも味わったベテランアタッカーの経験が、ここぞでチームを照らす。

◆パリ五輪への道 出場枠は開催国フランスを含む12で、7枠が決定済み。残り5枠はNL予選ラウンド終了時(6月17日)の世界ランキングで決まる。日本は(1)アジア&オセアニアで最上位、または(2)出場権を得ていない国の中でアフリカ勢トップを除いた上位3カ国に入ることが条件。中国戦の勝利により、8位からセルビアを抜いて7位に浮上。6位中国に接近した。万が一中国に(1)を奪われた場合でも、現状のランキングは(2)の条件をクリアしている。ランクは試合ごとの勝敗で変動する可能性があるため、下位に取りこぼさないことも重要になる。