テニスの4大大会の男子シングルスを8度制覇するなど1990年代を中心に活躍した米国の名選手、アンドレ・アガシ氏(39)が現役時代に興奮剤を使用していたことを近く発売される自叙伝で告白し、波紋を広げている。

 自著でアガシ氏は女優のブルック・シールズとの結婚に疑問を持ち、テニスの調子を落としていたときに周囲の人間から興奮剤の使用を勧められたと告白。97年にドーピング検査で興奮剤が検出され、3カ月の出場停止処分を科されそうになったが、プロ選手協会(ATP)に対して、「偶然、薬物の入った炭酸飲料を飲んでしまった」とうその釈明の手紙を送り、不問に付されたことも明らかにしている。

 アガシ氏の行為は世界反ドーピング機関(WADA)が設立された99年より以前のこと。AP通信によると、WADAの担当者は「8年以内の使用についてのみ審議する。われわれは何もできない」と罰則を科せられない現状を説明した。

 また、国際テニス連盟のリッチビティ会長はアガシ氏の告白に「驚き、失望している」と話し「テニスは現在では反ドーピング活動を厳格に進めているスポーツ団体の1つ」と強調した。

 この告白で脚光を浴びている「オープン」というタイトルの自叙伝は11月9日に発売され、初版は異例の50万部を予定。アガシ氏は少なくとも印税で500万ドル(約4億5500万円)を手にする、とも報じられている。(共同)