<ラグビーW杯:オーストラリア11-9南アフリカ>◇準々決勝◇9日◇ウェリントン

 南アフリカの2連覇の夢は早くもついえた。

 オーストラリアにラックからの球出しを遅らされ、防御を完全に崩すには至らない。さらに肝心のブレークダウンで何度もボールを奪われた。相手よりはるかに長い時間を敵陣で戦い、得点はキックによる9点だけ。フッカーのスミット主将が「これだけ一方的に上回っていながら負けた試合は初めて」と認める、もどかしい内容だった。

 このW杯を最後に、100キャップ以上のスミットやロックのマットフィールドら中核だった選手が代表を去る。デビリアス監督も記者会見で退任を表明。一時代の終わりにスミットは「スプリングボクス(南ア代表の愛称)で一緒に戦った仲間、そしてチームを誇りに思う」と振り返った。