「メガトン」作戦でリベンジ成功だ。19大会連続24回目出場の国学院栃木が、2大会前に抽選で屈したBシードの日本航空石川(石川)を28-12で破った。FWの布陣を変更し、重量級を並べる策が功を奏し、スクラム勝負で圧倒した。91回大会以来7大会ぶりの8強進出をかけ、元日の3回戦は報徳学園(兵庫)と対戦する。

ロックの中村主将は、ノーサイドを待たずに涙した。「花園には魔物がいると聞いていたので打ち破れて良かった」と笑みを浮かべた。2大会前は相手のトンガ出身選手を止められず、抽選の末、敗退。今回もベンチプレス180キロを上げる高校日本代表NO8ラウシら、相手には3人のトンガ出身選手がいた。

吉岡監督は「スクラムで圧力をかけられるように」と高校日本代表候補で本来はプロップの中村主将をロックに回し、プロップに体重109キロの中野、125キロの藤倉を配置。1、2列目5人の平均体重は1回戦より7キロアップした。作戦名「メガトン」は選手たちがノリで考えた。

1回戦の開始早々にU-17日本代表SO伊藤が負傷し、メンバーから外れた。吉岡監督は「FWで頑張るしかない」と迷いなく作戦を決行した。スクラムで自由にさせず圧倒し、試合の主導権を握った。重量FWだけを作ろうとしたわけではない。食事管理などはすべて選手任せ。スカウトをせず、やりたい生徒は女子も含め自由に受け入れる。自主性重視の吉岡イズムが浸透した重くて強いFW陣が、初の4強への原動力になる。【松熊洋介】