静岡聖光学院(静岡)が12-17でBシードの黒沢尻工(岩手)に惜敗し、初の3回戦進出に届かなかった。ロースコアで自分たちのペースで試合を運んだが、最後は“赤べこ軍団”の圧力に屈した。

12-17で後半30分が過ぎた。トライで同点。ゴールが決まれば逆転勝利をつかめる状況だった。ミスが許されない中で、自陣からボールをまわし、好機をうかがった。しかし最後はSO高成田光主将(3年)がノックオン。ノーサイドの笛が鳴った。高成田は「混乱していた。相手の守備が強く、攻め方を迷いながら味方と話して、その迷いが生んだミス。自分の責任です」と涙を流した。

7点差を追う後半20分、SH山田悠登(3年)のハイパントで相手のノックオンを誘発した。スクラムからNO8植田歩(3年)が右へサイドアタックし、トライを奪った。高成田のゴールも決まり、12-12の同点に追いついた。

しかしその5分後、自陣右22メートルラインからモールを組まれた。ゴール目前まで押され、最後は狭いサイドでトライされた。前半から体格で勝る黒沢尻工の攻撃を止め続け、消耗しきった選手たちの体には、塊を押し返す力は残っていなかった。植田は「前半から1人に対して3人で止めてうまく防げたが、最後は体にきていた」と唇をかんだ。

チーム初の3回戦進出を逃したが、シード校相手に善戦した。CTB小林大悟(3年)は「差は大きくなく、勝てると思った。来年こそ3回戦に行ってほしい」と花園での年越しを後輩に託した。【大野祥一】