<水泳世界選手権>◇最終日◇4日◇バルセロナ◇男子400メートル個人メドレー決勝

 今季世界ランク1位の萩野公介(18=東洋大)にとってまさかの展開だった。男子400メートル個人メドレーの今季世界ランクは2位を2秒以上離しての断トツ。ロンドン五輪金メダルのロクテも、五輪同種目で2つのメダルを獲得したシェーも欠場。タイムからみれば、圧勝でもおかしくない状況が、金メダルに遠く届ばず、5位に終わった。

 8日間7種目17レース。初めての世界選手権で「金を含む複数メダル」を目標に掲げた。最終日まで順調に上位争いを展開し、銀メダル2個を獲得も、最後の50メートルで伸びず、まさかのメダルなしの結果だった。

 日本人の常識をぶち壊す18歳も、世界選手権に、いい思い出はなかった。11年4月の前回世界選手権選考を兼ねた日本選手権。直前に脱水症状を起こした。前年夏のパンパシ選手権に15歳で出場。ロンドン五輪1年前の世界選手権は腕試しのチャンスと思っていた。実力ではなく体調不良で、選考レースを棒に振ったショックは大きかった。

 今回も、金メダルに最も近いとされたこの種目で勝てなかった。まだ伸びしろはある。萩野の成長も、そして真骨頂も、これから本番を迎える。