<仙台6大学野球:東北福祉大8-1東北学院大>◇17日◇最終節2日目◇仙台市青葉区・東北福祉大野球場

 東北福祉大が「恐怖のトップバッター」の活躍で、4連覇に王手をかけた。東北学院大に8-1でコールド勝ち。1番右翼の坂下順平外野手(4年=大阪・履正社)が公式戦初本塁打を含む3安打1打点と、打線の火付け役として大暴れした。18日の第1試合で勝ち点1差の仙台大が東北工大に敗れるか、第2試合で東北学院大に勝てば、4季連続54度目の優勝が決まる。

 思い切り引っ張った打球は、左翼方向へ高々と舞い上がった。1点リードの3回、坂下はカウント2-1から直球をフルスイング。ポール際に飛び込むソロ本塁打は4年目にして、うれしい大学初アーチ。「(ファウルゾーンに)切れそうだったので、あまり実感はわかないですね」と苦笑いで振り返った。初回には二塁打、4回に四球、6回には右前打で出塁。4得点で、1番打者としての役割をきっちり果たした。

 今季は不動のリードオフマンとしてチームを引っ張るが、昨秋に公式戦デビューしたばかり。高校までは投手だった。しかし大学入学時に右肩を痛め、打者に転向。高校では通算15本塁打を放ち、もともと打撃には自信があった。高校の1年後輩のオリックス岡田とは連絡を取り合う仲。「岡田がそろそろ1軍で出そうだと聞くので、励みになりますね」と後輩から刺激を受けている。

 この日の3安打で打率を4割4分4厘(36打数16安打)とし、首位打者に躍り出た。だが坂下は「数字は意識しません。明日の試合も、とりあえず塁に出ることしか考えていません」。自身初のタイトルより、チームの優勝しか頭にない。【由本裕貴】