前ロイヤルズ野茂英雄氏(40)のトルネードが、東京ドームで復活する可能性が出てきた。社会人野球を統括する日本野球連盟の指導者研修会が10日、熱海市内のホテルで開かれ、同連盟の鈴木義信副会長(64)が、今夏第80回の記念大会を迎える都市対抗の始球式に野茂氏を招くプランを語った。「去年の年末にオファーしました。まだ返事はもらってませんけど、ぜひやってほしい」と熱烈ラブコールを送った。

 さらに捕手役には前ヤクルト監督の古田敦也氏(43)を招く意向だ。野茂氏は新日鉄堺、古田氏はトヨタ自動車で活躍。実現すれば銀メダルを獲得した88年ソウル五輪の黄金バッテリー復活になる。同五輪では鈴木副会長が監督を務め、3者には深い縁がある。

 野茂氏が日本のマウンドに上がったのは96年11月7日の日米野球(甲子園)が最後。昨季限りで引退したが、引退試合など公式行事は行わず、日本のファンにとっては待望の舞台。これまで元プロが始球式をする場合、当時のユニホームを着用してきた。鈴木副会長は「(野茂氏にも)新日鉄のユニホームを着てほしい」と熱望した。

 野茂氏は「NOMOベースボールクラブ」を設立するなど、アマ球界への造詣が深い。世界的不況の影響で休部やキャンプ中止など暗い話題が多い社会人野球だが、実現すれば明るい話題となる。