東都大学野球リーグ2部の駒大・林裕也主将(4年、駒大苫小牧高出)が大学ラストイヤーに臨む。8日、同リーグ2部が開幕。13日から東農大との対戦で今季初戦を迎える駒大は昨年、春季リーグで11季ぶりに2部に降格した。秋季リーグも2位に終わり屈辱の1年となったが、駒大苫小牧高時代に甲子園で2度優勝した経験を生かし、チーム再建に着手した。1部昇格へ主将としてチームをけん引していく。

 端正な顔立ちに主将らしさが加わった。林は主将に就任して初の公式戦を前に充実感に満ちている。「ようやくチーム全体に勝ちたい気持ちがでてきた。いい形でシーズンに入れる。絶対1部に上がる」。オープン戦では13勝3敗の好成績。主将就任5カ月目で負けることに慣れてきていたチームの雰囲気は一変した。

 チーム再建の鍵は駒苫で学んだ泥臭い野球だった。林は2部に降格し、目標を見失いかけたチームを変えるため私生活、練習態度などから見直した。毎日ミーティングを行い、ミスをすれば厳しい態度で接してきた。基本を徹底することでやり遂げる意識を高めた。「駒苫の時は勝つのが当たり前で緊張感があった。だから練習、私生活でも何でも本気。野球って本来泥臭いものだってことを伝えたかった」と話す。

 3月のWBCで部員の変化を感じ取った。負けたら終わりの緊張感の中で日本は優勝。合宿所のテレビの前でいつの間にかチーム全員が食い入るように見つめていた。「1部に上がらなければいけない。絶対上がるんだって気持ちが伝わってきた」と喜んだ。

 北海道への思いも捨ててない。年に2度帰省する時はいまだに声をかけ、声援を送ってくれる故郷のファンに恩返しがしたい。7月に札幌で行われるアジア選手権に出場することが個人的な目標だ。もちろんプロも視野に入れている。「1部に上がらないと北海道では報道されないですよね?

 あいつがいたから上に上がったって言われるよう頑張りたい」。名門復活は林にかかっている。【松末守司】