<仙台6大学野球:東北学院大1-0東北工大>◇第2節最終日◇28日◇仙台・東北福祉大球場

 すごい左腕が現れた!

 東北学院大が1-0で東北工大に連勝し、勝ち点1を挙げた。リーグ初先発の1年生左腕・伊藤祐介(宮城・聖和学園)が、1年生として、また左投手としてもリーグ史上歴代最多となる、16三振を奪う快投。2度目のリーグ戦登板を、4安打完封で飾り初勝利を挙げた。

 6日に入学したばかりのルーキーが、スタンドの度肝を抜いた。9回表2死二塁から最後の打者を空振り三振に仕留め、4回を除く毎回の16奪三振。歴代5位タイながら、1年生としても、左投手としても過去最多だ。高校時代を通じても公式戦自己最多に加え、球速も自己最速に並ぶ141キロを記録。雄たけびとガッツポーズで締めくくった伊藤は「三振で気持ちが高ぶり乗ってきた。満足な結果がついてきて、うれしい」と笑顔を見せた。

 19日の東北大戦でリーグ戦デビュー。1-2の9回表1死一、三塁から登板して打者2人を空振り三振に仕留め、先発の重責を担った。背番号は横浜工藤と同じ「47」。伊藤は「(チームで)余っていた番号でしたが、同じ左で尊敬できる投手なので『いいな』と思いました」と満足顔だ。

 入学前は高知キャンプから帯同。3月下旬の筑波大との練習試合では6回1死から救援し、打者11人を無安打9三振に抑え菅井徳雄監督(52)の信頼を得た。この日は2度、1死三塁のピンチを背負ったが、マウンドに駆け寄った菅井監督は「エースになりたかったら、こういう場面を抑えてみんなの信頼を得るんだ」とゲキ。伊藤は「よっしゃ~!」と返事してピンチを切り抜けた。

 将来はプロ志望で、東北学院大OBの西武岸にあこがれて入学した伊藤は「先発入りしたい。チームの目標は神宮なので、先輩のためにも自分の試合は絶対に負けたくない」と闘志を燃やした。【佐々木雄高】