<東都大学野球:東洋大3-2亜大>◇26日◇最終週初日◇神宮

 亜大・東浜巨(ひがしはま・なお)投手(1年=沖縄尚学)が6回3失点でリーグ戦初黒星を喫した。勝ち点を挙げれば優勝の東洋大初戦に先発したが、毎回の9安打に4四死球で、2-3と敗れた。98球で降板し、連続完投は4試合でストップ。東洋大は1番小島脩平主将(4年=桐生一)が3安打を放つなど、スーパールーキーを攻略。乾真大投手(3年=東洋大姫路)-鹿沼圭佑投手(3年=桐生一)とつなぎ、5季連続優勝に王手をかけた。

 立ち上がりから、いつもの東浜ではなかった。1番小島に5球続けた直球を右中間に運ばれた。無死三塁で、続く滝本への144キロが中堅犠飛になった。優勝をかけた大一番、7球で先制点を許した。「研究されている感じはあったけど、全部甘かったのでそれに尽きる。真っすぐ待ちだったと思う。立ち上がりがすべて」と悔やんだ。

 1回に2失点すると、3回は2死三塁から中前に運ばれた。生田勉監督(42)は「前半は力投しすぎた。いつもと違っていた」と分析する。中盤以降は粘り、6回まで毎回の9安打を浴びたが3点に抑えた。最後は6回2死満塁カウント0-3から2-3に戻し、二塁ゴロに打ち取りガッツポーズ。入学後初めて試合中にマウンドを降りた。

 母孝子さんが沖縄から上京し、初めて神宮で試合を見つめていた。13日の立正大戦後にのどを痛め、3日間通常練習を休んだ。寮内や、近所に散髪に行く際もマスクを着用する。母に勝利は届けられなかったが、体調は「関係ないです」と言い訳にしなかった。

 3季連続となる東洋大との優勝決定カード。亜大進学を決意していた昨秋は、沖縄から神宮に観戦に訪れた。沖縄尚学の制服姿でネット裏から見つめ、自分が投げる姿を想像した。「レベルが高い。1つ上行っている。今まで戦ったチームの中で一番バッティングが良かった」と脱帽した。

 球場を出る際にはファンから拍手で迎えられた。東浜は「リーグ戦は終わった訳じゃない」と、やられたままで終わるつもりはない。27日の2回戦に勝てば、優勝をかけた3回戦に再び先発するチャンスがある。【前田祐輔】