<日米大学野球:日本8-3米国>◇第4戦◇15日◇鶴岡ドリームスタジアム

 亜大・東浜巨(なお)投手(1年=沖縄尚学)が日本代表初勝利を挙げ、「佑」につないだ。7回から5番手で登板し、2回無安打0封。7投手を継投する総力戦で米国を破り、2勝2敗の五分に戻し、連覇へ逆王手をかけた。16日の最終戦(神宮)は早大・斎藤佑樹投手(3年=早実)が先発する。米国は昨年ヤンキースからの1巡目指名を拒否した最速101マイル(約163キロ)右腕、ゲリット・コール投手(1年)が登板する可能性があり、優勝をかけての大一番になる。

 故郷沖縄から遠く離れた山形・鶴岡で、東浜が輝きを取り戻した。7回から5番手で登板。先頭の6番フォーサイスから空振り三振を奪うと、マウンドで雄たけびを上げた。2回を無安打2奪三振で無失点に抑え、代表初勝利を挙げた。

 敗れれば79年以来30年ぶりとなる日本開催の負け越しが決まった。「がけっぷちだった」と集中した。12日の第1戦は9回1イニングで1失点したが、登板がなかった中2日、ブルペンで投げ込んだ。腕を振る意識を取り戻し、141キロだった直球は、144キロまで戻った。試合後、代表初勝利を伝え聞くと、「本当ですか、野村さんじゃないんですか。もうけもんです」と、笑って驚いた。

 これで2勝2敗の五分に戻した。最終戦に先発する斎藤へ、榎本保監督(54=近大)は「3回でも4回でもいけるところまで飛ばしてほしい」と期待。東浜は「最後なんで、勝ちたい」と連覇の夢を先輩に託した。