駒大野球部の林裕也(4年=駒大苫小牧)が、11月に教育実習生として母校駒大苫小牧高に戻る。28日、東都大学野球リーグ専大戦で大学生活最後の試合を迎える。来春から社会人の東芝入りが決まっているが、卒業前に、教育実習で教壇に立つ。05年全国V2時に主将を務めた野球部の練習にも参加する予定で、V1主将の佐々木孝介監督(22)とともに、後輩に「駒苫魂」を注入する。

 林が、思い出多い母校への“里帰り”を心待ちにしている。11月16日から教育実習生として駒大苫小牧に約2週間赴任する。実習の合間には時間の許す限り野球部の練習に参加する意向だ。林は「夏に1度会いましたが、佐々木さんはすごく厳しいらしいですね。でもそれが駒苫の伝統。(行くのが)楽しみです」と早くも興奮気味だ。

 「佐々木さんのやり方がある」と、後輩には直接指導はしないものの、練習に交じって自身のプレーで真の駒苫野球を伝えていく。「(実習中は)自分の練習が思うようにできないと思う。体がなまるのも嫌なんで練習に行きます。できる限りのことはしたいし、プレーを見て何かを感じとってくれれば」と話す。

 4年間の大学生活では、26日からの東都大学リーグ専大2連戦の初日が雨で1日順延し、28日が大学での最終戦になる。27日は4-11で敗れた。今春主将に就任し、2部から1部昇格を目指したが、ここまで5勝6敗の4位と思いはかなえられなかった。「浮き沈みが激しい大学生活だったが、自分ができることはやったと思う。後悔はないし、心残りもない」と晴れやかな表情で振り返る。

 林の夢には続きがある。大卒でのプロ入りはあきらめたが、社会人の東芝入り後もプロを目指して努力を重ねる。東芝は日本選手権に21度出場し、2度優勝した強豪。日本ハムの坪井、巨人の高橋尚らをプロ野球界に送り込んできた。林は「東芝で結果を出せば自信になる。ただ、今のままではだめ。もっとスケールアップして挑戦したい」と思い描く。主将として全国の頂点に立った駒苫野球を再確認し、自身の夢にまい進していく。【松末守司】