「佑&智」で世界一を目指す。日本で初開催する世界大学野球選手権が30日、神宮などで開幕する。初の金メダルを目指す大学日本代表は29日、神宮の室内練習場で約2時間30分の最終調整を行った。30日の開幕戦に先発する早大・斎藤佑樹投手(4年=早実)はブルペンで約40球の投球練習。榎本保監督(55=近大)は準決勝、決勝は斎藤と巨人原監督のおい、東海大・菅野智之投手(3年=東海大相模)を先発させる構想を披露した。

 斎藤から菅野か、菅野から斎藤か。準決勝、決勝のローテーションについて、榎本監督は「決勝は斎藤にするか菅野にするかは悩まないといけない」と構想を語った。予選リーグ後、メダルをかけた決勝トーナメント。準決勝、決勝はキューバ、米国などとの連戦が予想される。メダルをかけた2試合の先発を、2人に託す考えだ。

 中大の最速157キロ右腕、沢村拓一投手(4年=佐野日大)が右脇腹痛で代表から離脱した。先発予定だった予選リーグ第2戦(対中国)は明大・野村祐輔投手(3年=広陵)が先発する。非常事態の中、菅野は予選リーグは抑えで、勝負どころで先発に回る。26日のプロ選抜戦で154キロをマークするなど調整は順調。榎本監督は「メダルがかかった時の切り札」と期待した。米国戦は斎藤、キューバなら菅野など、対戦カード次第で先発順を決めることになりそうだ。

 30日の開幕戦に先発する斎藤は、非公開のブルペンで投げ込んだ。榎本監督は「みんなが沢村の思いを背負って投げる」とチームの結束を強調した。斎藤については「やってくれると信じている。1戦目を取ればこのチームは乗っていける」と期待する。日本の夢を背負い、まずは斎藤が先陣を切る。