阪神糸井嘉男外野手(36)が5回1死、そこまでパーフェクトに抑え込まれていた巨人菅野から、右翼スタンドへ通算150号となる先制ソロアーチを放った。

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 糸井は通算150号の決勝アーチを恩人にささげた。前日24日、オリックス常務の村山良雄さん(享年72)の訃報を伝えられると、目を見開いて固まった。「突然のことで…びっくりしました。ご冥福をお祈りするしかないです」と強いショックを受けた。

 日本ハム時代の13年1月下旬。キャンプインの直前に大引らとの大型トレードが成立し、オリックス移籍が決まった。オリックスの編成トップ、球団本部長だった村山さんもトレードに深く関わっていた。

 京都出身、近大卒の糸井にとって関西は地元だが、プロで初めての移籍。一流選手とはいえ、さまざまな不安もあった。「村山さんは自分を温かく迎え入れてくれて、すぐにチームにとけ込めるように環境をつくってくれました。今でも感謝しています」。当時の村山さんの心遣いを思い起こし、あらためて感謝の念を込めた。【遊軍=柏原誠】