巨人が広島に3タテを食らい4連敗。3連戦で計29失点と投手陣が打ち込まれた。野球評論家の西本聖氏がこの3連戦を分析した。

 -8回を終えて5ー4。逃げ切れるかと思ったがカミネロが打たれた

 西本氏 初球、真っすぐを待っていた松山に真っすぐを投げて本塁打された。捕手の小林を責めるわけではないが、広島の打者の特徴は分かっているはず。初球の入り方、勝負の仕方をもう少し考えて欲しかった。

 -カミネロは150キロ台中盤の球速は出ているがなぜ打たれるのか

 西本氏 左肩の開きが早いから速くてもボールが見やすくて空振りが取れない。いいコースに投げないと厳しい。

 -それにしても3試合で29失点は取られ過ぎではないか

 西本氏 ビッグイニングを作られ過ぎ。バッテリーが流れを止めないといけない。それと巨人の投手はボールが高い。低めに投げようという意識が足りない。小林のリードにも問題がある。

 -小林はWBCで侍ジャパンの正捕手として活躍したが

 西本氏 WBCは日本を代表する好投手ばかりだから良かったが、チームではそうもいかない。そういう時にどうするか。広島の捕手の会沢や石原は1球、1球、ミットや右手の仕草で投手に自分の意思が伝わるようにしていた。また、ランナーがいない時には片膝を地面に着けてより低く構えていた。一方の小林にはそういった動きがほとんど見られなかった。

 -守備力の差も大きかった

 西本氏 守りのミスがビッグイニングを呼んだ。広島は菊池を中心に守備が素晴らしい。9回の失点を防いだ守備も凄かった。

 -第1戦をエース菅野で落としたのも痛かった

 西本氏 6回途中、同点の場面で代えた。2アウト。あとアウト1つ。あそこはエースの菅野に任せてあげて欲しかった。大事な3連戦の頭でもあった。逆に広島はできるだけ先発に長いイニングを任せようとしていた。

 -広島は引き分け挟み10連勝。今年も強い

 西本氏 攻守のバランスが良い。巨人が勝つためには何らかの工夫が必要。ベンチ、特に投手コーチ、バッテリーコーチになんとかしてほしい。