龍谷大平安の今秋ドラフト候補左腕、高橋奎二(3年)の最後の夏は、1試合で終わった。6月中旬の練習試合で左脇腹に打球を受け、今大会3戦目の京都翔英戦に向けて調整も本調子にはほど遠く、5回途中7失点で降板。味方打線は7点差の劣勢を盛り返し、8回で8-7と勝ち越した。だが9回2死から追いつかれ、延長戦で力つきた。

 13年秋からの府内連勝は28で止まり「腕が横振りになったりで、違う自分のように感じました」。涙は止まらなかった。原田英彦監督(55)も「ここ2、3日で調子が落ちた。彼の経験にかけましたが」と唇をかみしめた。わかさ京都には、獲得候補にリストアップするヤクルトや巨人、日本ハムなどが集結。巨人山下スカウト部長は「本来力のある投手。3年間の最後がケガだったのはかわいそう」と気遣った。右足を高々と上げる投球フォームを武器に2年春は甲子園制覇。鮮烈な印象を残した左腕は「プロ野球選手を目標に頑張りたい」と語り、平安の1番に別れを告げた。【堀まどか】