清宮が、ついにテレビ局まで動かした。早実(西東京)のスーパー1年生、清宮幸太郎内野手がメンバー入りした第27回U18(18歳以下)ワールドカップ(28~9月6日、甲子園ほか)の決勝戦を、テレビ朝日が地上波生中継する検討を行っていることが21日、分かった。当初は「BS朝日」で中継予定だったが、日本が決勝進出した場合、地上波に切り替える方針。20日にNHKが中継した東海大相模(神奈川)-仙台育英(宮城)の決勝戦は視聴率20・2%を記録し、100周年の高校野球が異例の盛り上がりを見せている。

 初の金メダルを目指す清宮が、民放地上波でお茶の間を沸かせる可能性が高まった。今夏日本で初開催されるU18W杯は、1次ラウンド5試合、スーパーラウンド、さらに決勝と、全試合「BS朝日」で中継することが発表されていた。

 そこまでは当初からの予定通りだったが、20日に決定した高校日本代表には、甲子園5試合で打率4割7分4厘、2本塁打、8打点をマークした清宮が1年生でただ1人、選出された。さらにドラフト上位候補の関東第一(東東京)オコエ瑠偉外野手(3年)、東海大相模(神奈川)小笠原慎之介投手(3年)ら話題性と実力を兼ね備えた選手がズラリとそろった。異例ともいえるほど注目される状況を踏まえ、日本代表が決勝進出した場合、急きょ地上波放送に切り替える方針だという。

 清宮が出場した甲子園の早実戦は、昼間の時間帯にもかかわらず、初戦から高視聴率をマークした。16・3%(今治西)→16・8%(広島新庄)→17・7%(東海大甲府)→16・2%(九州国際大付)→15・4%(仙台育英)とハイレベルで推移。チャンスに強い打撃同様、視聴率も“持っている男”を実証した。

 20日に帰京した清宮は、23日に再び大阪入りし、高校日本代表に合流する予定。代表入りが決定した際には「1年生で入れてもらってありがたい。やるからには1番を取りたい」と決意を語った。米国などの強敵に対して、どんな打撃を見せるのか。テレビの前のファンも、固唾(かたず)をのんで見守っている。

 ◆U18W杯 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主催する、18歳以下の世界一を決める大会。米国、キューバなど12の国と地域が参加する。6チームずつ2組の1次ラウンド(R)で上位と下位3チームを決め、上位3チームずつがスーパーR、下位3チームずつが順位決定戦へ進む。スーパーRの上位2チームが決勝、下位2チームは3位決定戦に回る。大会は第27回で、初めて日本で開催。以前は全国高校野球と日程が重なったため、日本は5度目の参加。過去の日本の成績は、82年に沖縄県選抜が初参加して準優勝。高校日本代表で初めて出場した04年も準優勝。藤浪(大阪桐蔭)大谷(花巻東)らを擁した12年(第25回=韓国)が6位。松井(桐光学園)高橋(前橋育英)らを擁した13年(第26回=台湾)が準優勝。