高校通算25本塁打を放つ投打二刀流の東海大菅生・勝俣翔貴(3年)が3番右翼で先発し、今大会チーム初となる3ランを放つなど4安打5打点を挙げチームを引っ張った。

 初回。無死一、三塁で回ってきた打席の初球だ。高めの直球に対し木製バットを振り抜くと、打球は右翼フェンスを越えた。大会4戦目で出た日本勢初アーチにベンチも大盛り上がり。「うれしかった。練習でも入る気配がなかったので驚きました」。両翼100メートル、中堅122メートルと広い舞洲ベースボールスタジアムでの1発に目を丸くした。

 代表1次候補に入っていたため、西東京大会決勝で敗れた後、すぐに木製バットで練習を開始した。力の加減が分からず、前日までバットを3本折ったが「だいぶつかめてきました」。この後、2二塁打と単打1本を放ちサイクル安打に迫る活躍で、16安打15得点の大勝に貢献した。

 清宮が退いた後は右翼から一塁へ回った。登録は投手だが、今回3つのグラブを持参した。「野手の方が好きですが、投手としてもいつでもいける準備はします。甲子園に出られなかった分、力が有り余っています」。西谷浩一監督(45)は明言を避けたが、清宮の状況次第では4番の可能性も浮上。初優勝へ向け元気印がフル回転する。【和田美保】