第88回選抜高校野球大会(3月20日開幕、甲子園)の選考委員会が29日、大阪市内で開かれ、32校を選出した。組み合わせ抽選会は3月11日に行われる。

 2年ぶりのセンバツ切符をつかんだ関東第一(東京)ナインは村瀬佑斗主将(2年)を胴上げして喜びを爆発させた。校舎1階ホール。その入り口に展示された先輩オコエ瑠偉選手(楽天)の日本代表ユニホームが、喜ぶ後輩たちを見守った。

 主砲の佐藤佑亮捕手(2年)がオコエのゲキを思い出した。「去年の暮れ『甲子園頑張れ』と言われました」。12月末、退寮する際に激励された。「去年のチームは足も攻撃力もすごかった。新チームの最初は先輩を意識したけど、僕らは違うんで」。個人の力で及ばないと自覚している。そんな後輩たちに、オコエは打撃ケージを贈ることにしたという。

 「聞きました。チームは全国制覇、個人では5割以上が目標です」と佐藤佑。修学旅行でハワイを訪れていたが、予定を1日早めて前日、帰国した。「去年と違う少ないチャンスをものにするチームにしたい」。佐藤佑は時差ぼけも忘れ、先輩とはひと味違う野球での勝利を誓った。