11年ぶりの甲子園勝利を目指した市和歌山は、0-0の9回にエース赤羽陸(3年)の投球が乱れて6点を献上し、悔しい敗戦となった。

 8回までは赤羽がピンチを迎えても、バックが本塁突入を阻止。再三好守でもり立てた。「守りからリズムをつくり、バッティングにつなげる形はできていました」。市和歌山も中盤以降に得点圏に走者を進めたが、ホームが遠かった。完封負けで半田真一監督(35)は「打てなかったことにつきる」と無念さを漂わせた。

 ただ、赤羽には収穫も。1回に自己最速の143キロをマーク。「自信になりました。これから145キロを出せるようにしたい」と夏をにらんだ。甲子園に再度やってくるには、和歌山での戦いを勝ち抜かなくてはならない。「智弁和歌山、箕島、和歌山東…強いチームとの対戦へ向けて、しっかり鍛えていきます」と話し、右腕は大舞台を後にした。