今センバツで8強に進んだが野村はスコアラーだった。ベンチには入れなかったが、打撃練習だけはあきらめずに続けてきた。夏に向けて「調子が良くなってきたので、フォロースルーを大きくことを心がけて練習してきた」。その姿を狭間善徳監督(52)は陰で見ていた。

 「相手右投手はスライダーと外の直球で攻めてくるのであいつ(野村)が合うと思っていた。もともと打撃はいい子」。その眼力は決勝進出の大きな原動力となった。

 「決勝は全力を尽くしてチームの勝利に貢献するだけです」。最後の夏に初めてもらった背番号は16。デビュー戦でヒーローとなった野村の活躍で、明石商が夏初の甲子園に挑む。【浦田由紀夫】