第89回選抜高校野球大会(17年3月19日開幕、甲子園)の21世紀枠の各地区候補9校が16日、日本高野連から発表され、関東・東京は石橋(栃木)が選出された。選考委員会は来年1月27日に行われる。

 創部82年目での初出場を目指す石橋(栃木)が、21世紀枠の関東・東京地区候補校に選ばれた。県大会準優勝で関東大会初出場に導いた福田博之監督(51)は「名誉なこと。野球も勉強も一生懸命に取り組み、(来年1月の決定を)待ちたいです」と話した。文武両道の県立校で平日は7時間目まで授業。6時間目の授業中に知らせが届いた。

 練習時間は約2時間と限られる中、関東大会後から、陸上部顧問の栗原浩司教諭(52)の指導で走塁改革に着手した。同顧問は88年ソウル五輪に100メートルと400メートルリレーで出場し、陸上史に名を刻むカール・ルイス(米国)と2次予選で対戦。5位で予選落ちしたが、世界レベルを体感した。同顧問は「大事なのは力を出すコツ」と説き、走りの技術を伝授する。

 野球にも結び付いた。ハードルなどを使いながら、力の出し方やフォームの助言を受けたが、主将の入江太一遊撃手(2年)は「体のブレがなくなって、下半身が安定した」と手応え。エースの竹内海斗投手(2年)も「しっかり走れば、下半身も強くなる」と話した。“五輪走法”習得で、選抜大会出場の吉報を待ち望む。【久保賢吾】

 ◆栗原浩司(くりはら・こうじ)1964年(昭39)5月2日、栃木・佐野市出身。佐野高3年時に島根国体100メートルで優勝、筑波大を経て、足利工の教員2年目に88年ソウル五輪に出場した。現在は石橋高の体育教諭で陸上部の顧問を務める。