第89回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の選考委員会が27日、大阪市内で行われ、21世紀枠の北海道地区推薦校、富良野は選出されなかった。

 21世紀枠の候補だった富良野は選出されず、春夏通じて初の甲子園は夏以降に持ち越しとなった。放課後、益田昇悟校長(59)から校内で、選出3校から漏れた旨が部員32人に伝えられた。落胆の様子もあったが、伊藤彰浩監督(53)は「今年の冬は非常に高いモチベーションで練習に取り組んでくれた」と、推薦校選出後の1カ月を評価した。

 昨年8月、部員4人が住む南富良野町の洪水被害の影響を受けながら、秋の道大会8強に勝ち進んだ。豪雪の環境下でトレーニングを工夫、ボランティア活動も評価され、初めて21世紀枠の推薦校に選ばれたが、吉報は届かなかった。

 宇治修汰主将(2年)は「憧れの場所なので残念だけど自分たちには夏がある」と前を向いた。全部員が富良野市と周辺市町の5つの中学校出身。中学の硬式チームのないエリアで、軟式経験者のみを鍛え上げている。近年は激戦の旭川地区で力を発揮し、12年夏には北北海道大会4強に進出。今年こその夏甲子園へ、主戦の坂本大輔投手(2年)は「もっと意識を高く練習したい」と力を込めた。