昨春王者の意地だ。東陵の4番小野勇人内野手(3年)が4-5の7回1死二、三塁から2点適時二塁打を放ち、仙台城南に7-5で逆転勝ちした。5球目の外角直球を強振。「体が勝手に反応した。入ると思った」当たりは左翼フェンスを直撃し、一塁まで緩めて走っていた小野は慌てて二塁まで激走。塁上でガッツポーズを繰り出したが、高校初本塁打がお預けとなり内心は動揺していた。

 昨年11月に寮の食事を管理する業者が変わったのを機に、小野は肉体改造に成功した。「寮の食事がおいしくなったんです。カレーは日本一だと思う。母ちゃんがつくったカレーよりおいしいかも」と力説する。自然と食事量が増え、昨秋から4キロ増の83キロに成長し「この春は飛距離が伸びた」。昨夏は4強進出止まりで「去年の先輩を超えて、今年は絶対甲子園に出る」と意気込んだ。