「今日の熱盛」弾でスタンドを最高に沸かせた。超高校級スラッガーの早実・清宮幸太郎内野手(3年)が法政との5回戦で高校通算106号の先制ソロ本塁打を放った。この日はテレビ局のアナウンサーが集結。「報道ステーション」のスポーツ担当の寺川アナウンサーからは、名物コーナー「今日の熱盛(あつもり)」の瞬間を聞かれ、「みんなの好プレー」と笑顔で答えた。史上最多とされる107本に王手をかけ、25日の日本学園との準々決勝(神宮)を迎える。

 清宮が神宮のスタンドを熱く、盛り上げた。3回無死、シンカーを「こすった」一打は、歓声とともに中堅右に飛び込んだ。史上最多とされる107本に王手をかける高校通算106号。初戦の南平戦で右翼、芦花戦で左翼、この日は中堅と打ち分けた。

 清宮 どこに飛んでも入るのは成長したかなと。

 無双のアーチストだ。公式戦では今春の都大会の準々決勝・駒大高から8試合連続アーチ。その要因に「コンディションが最高の状態にあること」を挙げた。練習後には、疲労緩和に効果的な水風呂とお湯に交互につかる交代浴を実施。巨人坂本勇らプロも実践する方法を取り入れるとともに、前日20日にはマッサージチェアで体をケアした。

 ミスを認める謙虚な姿勢も、結果に直結する。5回1死二塁、二塁走者の清宮は中飛で三塁にダッシュ。アウトカウントを間違えるミスで、チャンスを消した。6回の攻撃前の円陣では「アウトカウントは間違えないように」と言ってチームメートを和ませ、再発も防いだ。

 取材も熱く、盛り上げた。この日はテレビ各局のアナウンサーが集結。「報道ステーション」のスポーツ担当の寺川アナウンサーから「今日の試合で一番熱く、盛り上がったシーンは?」と聞かれ、「熱盛ですか? いつも見てるんで」とニヤリ。「みんなの好プレーかなと思います」とお株を奪った。

 次戦は25日の日本学園との準々決勝(神宮)。昨夏は準々決勝で八王子学園八王子に敗れ、雪辱の舞台となる。107本への期待もかかる一戦に向け、清宮は「勝ち優先でいきたいです」と締めた。【久保賢吾】

 ◆清宮の公式戦本塁打 8試合連続で通算26本目。過去の主な選手では、清原和博(83~85年PL学園)が高校通算64本のうち甲子園で13本など47本を公式戦で放っているが、公式戦の連続は4試合が最長。