夢はメジャーリーガーと言う花巻東(岩手)菊池雄星投手(3年)は、卒業後の進路にプロ野球を目標に定めている。23日は今後に関し「今は先のことは考えられません」と話したが、宿舎のホテルに戻ると「今日、大観衆の前で投げられなかった分、将来は大観衆の前で投げられる投手になります」と仲間の前で誓った。5月5日、佐々木監督から「進路について両親と相談しなさい」と1日だけ帰宅を命じられた。盛岡市内の実家近くのすし店で両親と食事。菊池は「オファーがあれば、プロに行きたい」と両親の目を見て言った。

 夜勤も忙しい助産師の母加寿子さん(49)は必死に働いて野球をさせてくれた。JA職員の父雄治さん(49)も父母会会長として力を尽くしてくれた。「プロで活躍して、両親に海外旅行をプレゼントしたい」と菊池。そして、ナインとも1つの約束を交わしている。将来、地元岩手での居酒屋経営だ。「お前が一番稼ぐんだから、出資金は頼むよ」と言われている。親孝行、そして最高の仲間のために、菊池は次の舞台へ歩み続ける。