第82回選抜高校野球大会(3月21日開幕、甲子園球場)の選考委員会が29日、大阪市内であり、出場32校が決定した。神戸国際大付(兵庫)は5年ぶり3度目の出場。「近畿ナンバー1投手」の岡本健(2年)はエース、主将、4番として阪神の藤川球児投手のフォームをお手本に、全国制覇を狙う。沖縄からは“基地の町”にある嘉手納、強豪・興南が史上初のアベック出場。急逝した元阪神・小林繁さんの教え子のいる敦賀気比(福井)の出場も決まった。組み合わせ抽選は3月13日に行われる。
MAX144キロの近畿NO・1右腕が“2つのきっかけ”を「つかんだ」。1つは、全国制覇のためのセンバツ切符。もう1つは、それを成し遂げるための投球フォームだ。岡本は猛虎の守護神・藤川球児の投球フォームをお手本に、球威アップの手ごたえを得た。
昨秋の近畿大会覇者として挑んだ明治神宮大会で今治西に初戦負け。直前に体調を崩し、5回で降板した。フォームも崩し、雪辱の思いを胸に冬を越えた。
「自分のビデオと、阪神戦(の藤川)を見ながら、ボールの軌道とか、フォームとか参考にしました」。あこがれの投球フォームを頭に入れて、冬場は連日30~50球を投げ込んできた。「寒いけど、せっかくつかんだ感覚を忘れたくないんで」。体で、頭で藤川スタイルを習得した。パワーアップへ、ウエートトレーニングと食事で体重も約5キロ増量。股(こ)関節や内転筋のトレーニングを重ね、柔軟性も身につけた。
青木尚龍(よしろう)監督(45)は「球速は測っていませんが、打者の手元での伸びは目に見えて良くなった」と言う。最速144キロの直球の“質”が変わった。岡本は「リリースまで力を抜いて、最後の瞬間だけ力を入れるコツが分かった。疲労も少なくて、このフォームだと、自分でも球が伸びているのが分かる。球のばらつきもなくなった」と自信を深める。
エース、4番、主将。責任感、自覚も十分だ。「選抜はまず1回戦。先制点をやらないように、守備からリズムを作りたい。ベンチのヤツらも、ベンチの外のヤツらも、一体となって(選抜Vへ)やれている」。チーム練習でも先頭に立ち、平日は放課後4時間半、休日は9時間、ぶっ通しでグラウンドで汗を流す。春の頂点へ。「自信はありますね」。球児の火の玉ストレートのように、岡本の心は燃えている。【村上久実子】

