<高校野球北北海道大会:札幌日大10-0札幌新陽>◇26日◇札幌地区2回戦◇札幌円山

 札幌日大のエース水野滉也(3年)が、5回参考ながら公式戦初となる完全試合を達成した。札幌新陽の打者15人に、54球で5奪三振。「内角と外角を広く使って打たせていこうと思いました。夏の良いスタートが切れました」と笑顔を見せた。

 春の全道準決勝の北海戦は、外角に偏った配球で痛打を浴び2-3で敗れた。「以前から内角に投げ込むのが苦手で、相手が外角を狙っているところに外角球を投げてしまっていた」。以降、ブルペン投球では打者役を立たせ8割を内角に投げ込み克服。この日の快投につなげた。

 チームも“完全試合”の予行演習が日課だった。守備練習では「パーフェクトノック」を行い、27連続無失策に取り組んだ。失策した場合は全員で腕立て伏せ30回、グラウンド1周など罰則を与えられ、ノックも最初からやり直し。最長2時間半を要したこともあったが、日頃から重圧の中、守備力向上を図ってきた。

 森本卓朗監督(31)は、主戦の快投に「初戦の緊張感の中でよく投げてくれた」と評価した。チームは夏の甲子園初出場を視野に入れ、水野は「打たせて野手に守ってもらって、全員野球でやっていきたい」と悲願達成に挑む。【吉田智秋】