<高校野球茨城大会:太田一13-0笠間>◇8日◇1回戦◇ひたちなか市民球場

 太田一(茨城)の大型右腕、金谷太輔投手(3年)がプロ注目の片りんを見せた。13-0の5回に登板し、1イニングを3者凡退で締めてコールド発進に導いた。わずか7球で片付けた。ロッテ、日本ハムのスカウトが視察する中、三振、投飛、投ゴとすべて1人で処理した。直球6球、スライダー1球を投げた金谷は「バラついてました」と顔をしかめたが、スカウトのスピードガンは自己最速タイの141キロを計測。ロッテ永野チーフスカウトは「粗削りの大型投手。まだまだ伸びる」と将来性を評価している。

 この日の三塁側スタンドは全校応援で盛り上がった。「やるぞという気になりますね」と、独特の雰囲気を楽しむ余裕すら見せた。身長は1センチ伸びて191センチになり、暑さで食欲が落ちるなかでもご飯をかき込み、体重1キロ増の77キロになった。心身ともに成長を続ける金谷の投球に、期待は高まるばかりだ。

 2回戦は13日の古河三戦。島根修二監督(50)は「間隔が空くので調整の意味で」とこの日の登板理由を明かしたが、金谷は「自分が投げて抑えたい」とうずうずしている様子。目標は「シード校を倒すこと」。その先に悲願の甲子園が待っている。【桑原亮】