<高校野球大阪大会:高槻北12-0追手門学院>◇12日◇1回戦◇万博

 最速142キロ右腕の青木亮太(3年)を擁する高槻北がコールド発進した。追手門学院を12-0で圧倒。「公立の星」青木は4回1安打無失点と好投した。

 公立の星が無失点発進だ。青木が4回を投げ、1安打6奪三振。その右腕でリズムをつくり、打線の11安打12得点の大勝を導き出した。

 6月中旬から調子を落とし、納得できない投球が続いていた。川崎克巳監督(54)とともにフォームを修正。この日は三塁を1度も踏ませなかった。「まだ納得できないけど、結果としてはよかった」と青木の自己採点は厳しかったが、女房役の池田優輝主将(3年)は「やっと戻ってきましたね」と復調を喜んだ。

 最速は142キロをマークする。安定して140キロの直球を投げ込めるようになったのは、冬の走り込みの成果だ。外野のポール間や学校の周辺にある坂でダッシュを繰り返した。「とにかく走った」。この日も141キロをマーク。進学希望だが、「将来が楽しみだね」(阪神畑山スカウト)と視察のプロが評価する投球だった。

 高校入学当初はハンドボール部に入部した。「丸刈りにしたくない」という理由から。しかし、グラウンドで練習する野球部員の姿を見て「野球がしたい」という気持ちが大きくなった。ハンドボール部の仲間に引き留められたが、1年の9月に野球部に入部した。野球から離れた5カ月があったからこそ「野球が楽しい」と心から感じている。

 次戦は春の近畿王者・履正社。川崎監督も「次が勝負でしょうね」と話す。昨春の府予選で対戦し、0-7の7回コールド負けを喫した。青木は「投げていてやっぱり強いなと感じました。でも公立の意地として負けたくない」と、公立の星が優勝候補に立ち向かう。【宮崎えり子】

 ◆青木亮太(あおき・りょうた)1995年(平7)8月23日、大阪・高槻市生まれ。南平台小2年から「グリーンボーイズ」で投手としてソフトボールを始める。高槻阿武野中では軟式野球部に所属。高槻北では1年9月から野球部。2年春からベンチ入り。持ち球はスライダー、カーブ、チェンジアップ。好きな選手はレンジャーズ・ダルビッシュ。遠投100メートル。50メートル走6秒4。178センチ、72キロ。右投げ右打ち。