<高校野球春季秋田大会:西目3-0横手>◇28日◇3位決定戦◇こまちスタジアム

 西目が横手を下し、春初の東北大会(6月5日~、秋田)出場を決めた。6回に3点を奪い、先発の右腕エース村上慎司(3年)が2安打6奪三振で完封した。

 攻めの105球だった。村上が西目の歴史に新たな1ページを刻んだ。最速141キロの直球にスライダー、カーブを織り交ぜ、相手打者の内角を攻め続けた。3、4回以外は全て3者凡退。「アウトを取れるとうれしくて」と何度もマウンドでほえた。

 メモリアル男だ。1年生だった2年前の秋の県大会準決勝でも先発し、勝利。西目に春秋通じて初の東北大会出場をもたらした。この日、2度目の「初」を達成し「仲間を信じて粘り強い投球が出来た」とにっこり。工藤浩孝監督も「今日は村上さまさま。夏が楽しみ」と目を細めた。

 昨春に肩を痛め、約半年間は投げることが出来なかった。「チームに迷惑をかけました」。だが投げられない間、下半身を徹底強化。毎日2時間以上のシャドーピッチングに、食事も改善し体重は6キロ増えた。球速も平均120キロ台から、最速140キロを超えるまでにアップした。

 東北大会ではリベンジに燃える。1年秋の東北大会では八戸学院光星に9回完投も2-4で敗れた。「ファウルの飛びも違った。投げるのが怖かった」と振り返る。だが今回は違う。「もう怖くない。(東北大会で)暴れてきたい」と自信をみせる。

 3月まで指導を受けた石川監督率いる秋田南も東北大会に出場する。村上は「エースとしてチームを引っ張れ、と言われた。どっちが上に行けるか競いたい」。地元秋田で行われる東北舞台に闘志を燃やした。【成田光季】

 ◆村上慎司(むらかみ・しんじ)1996年(平8)7月9日、由利本荘市生まれ。小3で川内小スポ少で野球を始め、鳥海中では軟式。西目高では1年春からベンチ入り。1年秋から背番号1。174センチ、76キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄、妹。血液型A。