<センバツ高校野球:東洋大姫路1-0八頭>◇29日◇3回戦

 最少点の援護で十分だった。8回、東洋大姫路が1点を先制したその裏、エース佐藤翔太(3年)が「尻上がりに調子が上がる」という投球は最高潮になった。1死からスライダーで3球三振、続いてチェンジアップで連続空振り三振。左腕を大きく突き上げた。最終回も、八頭打線から10個目の三振を含む3者凡退。三塁を踏ませない安定感で、初の1-0完封を達成した。

 「10三振は丁寧にコースを狙っていった結果です。平木投手も頑張っていたけれど、自分はTOYOの背番号1。負けるわけにはいかなかった」。この気持ちの強さこそ、最大の持ち味だ。中日中田スカウト部長は「どんなときでも打者に対して向かっていくアグレッシブな姿勢が最大の魅力」と評価する。春8強はグエン・トラン・フォク・アン(東芝)がエースだった03年以来。そのときは4強入りした。「前回はアンさん?

 それ以上行かないと」と、先輩に対しても強気だった。