北海道勢100勝の記念球が展示、公開されるプランが23日、浮上した。センバツ高校野球大会(甲子園)6日目の26日、北照(北海道)は秋田商(秋田)と1回戦を戦う。勝てば道勢の春夏通算100勝目達成となる。これを受け、北海道高野連では、1922年(大11)に北海中が挙げた1勝目から、88年かけて球児たちが積み上げた記録を振り返るイベントの検討に入った。

 甲子園での道勢通算100勝達成へ、道高野連が動きだす。大台まであと1勝に迫った状況に、大阪入りしている坂本浩哉理事長が、記念イベント実施へ向けての方向性を示した。「100勝ということは知っていましたが、イベントについては頭にありませんでした。いいことなので、検討したいと思います。具体的なプランがあれば参考にしたい」と口にした。

 10年度の事業計画はほぼ決まっているため、大がかりな企画は難しいが、さまざまなプランが想定される。勝てば100勝達成となる北照-秋田商戦のウイニングボールを、7月の南北北海道大会開催中、札幌円山と旭川スタルヒンで展示する案が1つ。他にも1勝目や10勝目など節目ごとのウイニングボールや、学校などに残っている記念の品を借りて展示となれば、高校野球ファンにとってはたまらない企画となる。

 02年春に三木(兵庫)から道勢通算80勝目を挙げた鵡川の佐藤茂冨監督(69)は「ボールはないような気がするが、何か残っていないか、探してみます」と全面協力を約束した。通常、試合終了後に試合球は主審に戻されるが、勝利校が希望すれば受け取ることができる。北照の河上敬也監督(50)は「記念の勝利なのでぜひ勝ちたい。ウイニングボールはもらわないといけないね」と意を強くした。

 甲子園球場には14日、甲子園歴史館がオープンし、連日3000人以上が訪れている。そこで感嘆の声が上がるのは、05年当時の日本高野連加盟校数と同じ、4253個のボールで埋め尽くされた壁面。校名が入った白球は実際に使用されたものではないが、足を止めて撮影する人は多い。この“ミニ北海道版”が実現すれば、メモリアルを祝うにふさわしいイベントになる。【中尾猛】