＜センバツ高校野球：興南５－０帝京＞◇３月３１日◇準々決勝

　興南（沖縄）はトルネード左腕、島袋洋奨投手（３年）が帝京（東京）を５安打完封し、初の４強進出を決めた。

　甲子園のスコアボードに９個の「０」を並べた。興南・島袋が甲子園５試合目にして初完封を果たして初の４強入りだ。「反省もあったけど良かったと思います」。２回戦の智弁和歌山（和歌山）に続き、全国トップレベルの打撃を誇る強豪帝京を抑え、納得の表情を浮かべた。

　いつも控えめだが、珍しく試合前に目標を公言した。前夜宿舎で「明日はゼロで抑える」と完封宣言。序盤は直球が浮いていたが「体重移動を修正して」と後半は尻上がりに調子が上がった。７奪三振と３試合連続２ケタ三振はならなかったが、被安打数は今大会最少の５本。５四死球はきわどいコースを突いた結果だった。５回２死一、二塁のピンチには山川から「今日は０点で切りぬけるんだろ」と言われ「任せとけ」ときっぱり。死球で無死満塁としたが最後は中飛に打ち取った。

　６８年夏４強入りし「興南旋風」を巻き起こした我喜屋監督に並ぶ４強入り。甲子園で３勝以上挙げたのも４２年ぶりとなる。「春と夏は違うけど監督を抜くチャンスなので次もしっかり投げます」と島袋は公式戦では経験のない３連投を志願。目標を問われたエースは「優勝です」ときっぱり答えた。【前田泰子】